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(2)新潟6M34BLT型機関
1. まえがき
ニイガタ6M−Tシリーズ機関は、4サイクル低速2弁式舶用主機関として、その経済性と信頼性の高さから、数多くの販売実績と、ご好評をいただいてまいりました。
このたび、この6M−Tシリーズ機関の実績をもとに、699〜749G/Tクラスの内航船用として、直結型推進システム(主機関とプロペラ軸を直接つなぐ)の構築が可能なロングストローク機関、『6M34BLT型機関』を開発しましたのでご紹介します。

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図−1 6M348LT型機関横断面図

2. 開発のねらい
6M34BLT型機関は、つぎの点をねらいとして開発しました。
(1)高出力、低燃費
高出力化、ロングストローク化を進め、燃費性能をはじめ機関諸性能をグレードアップする。
(2)信頼性・耐久性の向上
構造解析をはじめとする設計手法を駆使して、主要部品の、信頼性・耐久性の向上をはかる。
(3)イージーメンテナンス
給気管、冷却水通路をシリンダブロックに内蔵するなど、構造を簡素化し保守点検作業を容易化する。
(4)振動・騒音の低減
シリンダブロックを箱型二重壁構造とし、振動・騒音の低減をはかる。
3. 主要目・機関全体寸法
表−1に6M34BLT機関の主要目表を、図−1に機関横断面図を、図−2に全体組立図を示します。各種用途に最適な仕様が選択いただけるよう、逆転機式/CPP式、クラッチ付/無など各種仕様を取揃えています。

表−1 6M348LT主要目表

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4. 主要部構造
(1)シリンダブロック(図−3)
シリンダブロックは高出力・ロングストローク化に対して軽量かつ十分な強度・剛性を保持するよう適正なリブ配置・肉厚としています。
給気室を一体化することによって二重の箱型構造とし、剛性を高めて騒音・振動の低減をはかっています。
(2)合板(図−4)
合板はシリンダブロックと同様、ロングストローク化に対応するため、据付幅を拡大して十分な剛性をもたせた構造としています。
シリンダブロックはバランス良く配置した締付ボルトと合板と強固に締付けられ、高燃焼圧力に対しても十分な裕度があります。
(3)クランク軸、主軸受、クランクピン軸受
クランク軸は特殊鋼鍛造品で、ピン径、ジャーナル径とも十分な寸法を確保し、強度に余裕を持たせています。主軸受、クランクピン軸受は鋼製裏金に銅鉛合金(ケルメット)を焼結ライニングし、表面にオーバレイを施した薄肉三層ケルメット軸受を採用

 

 

 

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